先日のツーリングで
駐車場への渋滞に並んだ際、
NSRの水温はぐんぐん上昇して
100℃をマークし、
そのままではオーバーヒート
といった状態でした。
原因は明確です。
NSRをはじめとする
2ストのバイクには、
ラジエターに
電動クーリングファンがついておらず、
走っていないと
ラジエターを冷やすことが
出来ないのです。
おそらくファン自体だけではなく
バッテリー容量の縮小等も含めて
軽量化が目的でしょう。
ツーリングに行ったのは
5月の末でしたから、
この先夏に向けて
どんどん熱くなるにつれて
リスクは高くなります。
目次
NSRに電動ファンラジエターをつけるには?
問題は停車中の水温上昇ですから、
ラジエター容量や
ラジエター液を変えたところで
問題は解決しません。
渋滞中にエンジンを切ってしまうか、
ラジエターファンを
取り付ける以外に
方法はありません。
色々と調べてみた結果
- パソコン用の電動ファンを取り付ける
- RISE ON(元Jha)製の電動ファンを取り付ける
- 他車の電動ラジエターファンを流用して取り付ける
この3つが候補に上がりました。
パソコン用電動ファンは風量が弱い
パソコンに使われている各部品は電源で
AC100をDC12Vに変換して
使用されています。
なのでパソコン用電動ファンは
DC12Vです。
なので、
同じDC12V電源である
バイクや車には
流用するのが簡単です。
ところが、
実際やってみた人の話や
ネットでの記事を調べてみると
「風力が弱く、ぜんぜん水温が下がらない」
という意見が多く、
あまり期待できません。
そして、
後から気付きましたが、
走行風に対して
ファンが逆らっていると
抵抗を受けてしまうので、
前方から後方へ
風を送る必要があります。
なので、
バイク用の電動ファンは
ラジエター後ろ側に
取り付けてあっても
『吸い込む』風向きに
なっています。
パソコン用だと
ラジエターの前面に取り付ける必要が
ありますが、
NSRのラジエターは湾曲しているので、
取り付けも困難ですし、
見た目もよくないでしょう。
RISEON製 クーリングファンキットは入手困難
強化チャンバーブッシュ取り付けの際にも
ご紹介しましたが、
RISEONは
Jhaで工場長兼レース監督を務めた方が
代表を務める会社です。
以前、Jhaから発売されていた
NSR250R(MC21~MC28) ラジエターファンキット
という商品が発売されています。
>>RISEON(HP行方不明)
そのお値段¥33,800(税抜き)
RISE ONに
他の部品もあわせて注文しようと
メールしてみたのですが
返信がありませんでした。
レースでお忙しいのか
商売っ気がないのか
注文は難しそうです。
他車流用の電動ラジエターファン
RISE ON製のラジエターファンキットも
他車(CBR600RR??)の部品に
ステーをつけたものだったようなので、
使えそうなものを
ヤフオクで探してみました。
中古のラジエターファンは
だいたい
¥4,000~¥6,000くらいの物が多く、
これにステーや
配線を作っていくとなると
¥10,000くらいでおさまりそうです。
しかし、
一つ一つ調べていくと・・・
『NSR250R オリジナルラジエーターファンキット MC21 MC28』
という商品名で
出品されているものがありました。
他車流用の電動ラジエターファンに決定
お値段は¥19,200
※2022年8月現在
中古ラジエターファンを
使用したキットのようです。
迷わずポチッ!
ハイ、数日で届きました。
ラジエーターファンキットの基本的な取付け
ラジエターファンを買って、
あれこれステーを探したり、
加工したりすることを考えると
実績のある人から買う方が
手間がかかりません。
個人で出品されている方のようで、
見た目は少々チープ。
しかし、
かなりぶ厚いステーが
使われており、
試行錯誤がうかがえます。
配線はRISEON、Jhaと同じで
タンク下の2Pカプラー
(オイルポンプへの配線)
からACC電源をとります。
ファンのON/OFFは
スイッチを手動操作するのですが
付属のON/OFFスイッチは
防水タイプではありませんでした。
できるだけシンプルにしたかったので
スイッチボックス内の
ハザードスイッチの配線を
キャンセルして
外して強制ファン用
ON/OFFスイッチとして
使う事にしました。
ただ、ハザード配線を
キャンセルした結果、
ウィンカーポジションが
つかなくなってしまいました。
というわけで
スイッチを増設。
ハンドルを
カタナ400純正セパハンにして、
ノーマルより長いので
デイトナのスレンダースイッチが
うまく収まりました。
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ノーマルハンドルの人は
デイトナのフラットスイッチが
オススメです。
トップブリッジなどに設置すると
運転中も操作しやすいと思います。
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サーモセンサースイッチユニットでデジタル制御
スイッチをつけたものの、
やっぱりラジエターファンは
水温が設定温度になったら
自動でON・OFF
してくれるほうが便利ですよね。
そこで、
なにか良い物がないものかと
調べていたら
さすがAmazon&中国ですw
¥2,000程で
サーモセンサースイッチユニットが
見つかりました。
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中国からの直送で
2週間ほどで届きました。
12V電源ですが
バイク、車用ではないので
温度センサーがただの棒です。
センサーの取付けを工夫して大失敗
棒状のセンサーを
ラジエターのスキマに突っ込めば
一応温度が測れますが、
実際の水温から
計測したいところです。
そこで思いついたのが
シリンダーに刺さる
クーラント用ドレンボルト。
ドレンボルトの代わりにさせる
M6ボルト型の
センサーがないかな~?
と探してみると
見つかりました!
しかし、
このセンサーは
方式が違ったので、
センサースイッチユニットでは
そのまま使えませんでした。
このまま引き下がるのも
悔しかったので、
M6ネジの内径を
ドリルで少し広げて、
ムリヤリ合体させてみました。
そして、いざドレンボルトと交換して
キュッと締めると・・
ヌルッ!という感触
そうです。
ネジ切れてしまったのです。
ボルトの内径を削ったという事は
ボルト自体が薄くなってしまい、
ボルトとして強度が
落ちてしまっていたのです。
大惨事です。
ラジエターを外して、
電気ドリルやらタップやらで
補修します。
なんとか事なきを得ました。
あまりに焦っていたので
折れたボルトの写真も
撮れていませんw
超簡単なセンサー取付けで問題なしだった
おとなしくセンサーを
ラジエター外部に
取り付けます。
写真の部分にセンサーを
グイっと差し込みました。
フィンは多少変形しますが
破って水漏れしてしまわないように
注意しましょう。
固定はアルミテープと
タイラップでやりました。
センサースイッチユニット本体は
防水ではないので、
水のかからない場所に
設置が必要です。
MC21までは
PGMが設置されるであろう場所へ
両面テープで設置しました。
センサースイッチユニットの配線図
取説の配線図は
こんな感じです。
私が作業用に描いた配線図はこんな感じです。
センサースイッチユニットが
壊れた時用に
上記で使った物理スイッチを
バイパス用のスイッチとして
利用します。
クーリングファンは
消費電力が大きそうだったので
電源をACCから分岐させるには
少々不安だったので
ラジエターファンへの電源は
バッテリーから直接供給、
センサーユニットのON/OFFに
キーのON/OFFを連動させたいので
リレーを使い配線します。
リレーは4極のものを使用しています。
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センサースイッチユニットの操作方法
初期化
Rボタン3秒押す →表示が5回点滅し初期状態に戻る(初期動作温度設定値は28℃)
動作温度設定
Sボタン短押し、↑ボタン↓ボタンで設定 →S or Rボタンで戻る
Hモードの時にはOFFする上限温度 Cモードの時にはOFFする下限温度
ロック
↓ ボタンをoff表示が出るまで長押し →設定パラメータがロック(動作温度は変更可能)
アンロック
↓ ボタンをon表示が出るまで長押し →アンロックに戻る
1-2 パラメータ設定状態
パラメータ選択
Sボタン3秒押しで入る
↑ ボタンでHC→CP→LA→HA→PU→CA→HCに戻る(↓ボタンは逆方向)
Rボタンで設定から抜ける
HCモード切替
HC表示の時にSボタンを短押しで入る
↑↓キーで変更する(H:高温でOFFするモード、C:低温でOFFするモード)
Rボタンで戻る
CP設定
ON-OFFの温度差設定 設定最小単位は1℃
例:Cモード動作温度65℃の時、CP設定=15で、80℃(以上)でONにし65℃(以下)でOFFにする動作
(仕様に記載のある0.1℃は動作温度誤差のことらしい)
LA
エラー表示させる低温側温度設定 動作温度設定-50℃になるとLLL表示が点滅
初期設定は-40℃
HA
エラー表示させる高温側温度設定 動作温度設定+110℃になるとHHH表示が点滅
初期設定は120度
PU
動作ディレイ(0ー20分で動作を遅らせることができる)
CA
センサーの温度補正(-10から+10の範囲で補正可能)
設定した値は電源が切れても保存されているので、一度設定すればOK
ラジエターファン装着後の感想
クーリングファンの威力は
十分でしっかり水温を下げてくれます。
この価格で、
この効果は超おすすめですよ!
センサーも水温と多少ずれがあるものの
センサースイッチユニットで
誤差を修正設定をしていれば
思ったところで作動してくれています。
現在設定は
80℃でファン作動
65℃まで下がると止まる
という設定にしています。
はじめまして。
非常に興味深く拝見させて頂きました。
失礼ながら全く同様な形でファンを装着しようと思っているのですが、電気系は苦手でご教示頂けると助かります。
配線図ですが赤線は1と3を繋げるのでしょうか?それとも1と2と3を繋げるのでしょうか?
またスイッチのお勧めがあれば教えて下さい。
セッキー
セッキーさんコメントありがとうございます。
ブログ内でご紹介しているサーモセンサースイッチユニットでは1と3は単純に配線だけでつなげて、ファンへの電源供給とサーモセンサースイッチユニット自体への電源供給を共用しています。
1の配線に2を繋げる間にはハンドルスイッチ(物理スイッチ)を入れています。
こうすることによってサーモセンサースイッチユニットが壊れた時や任意でファンを回したい時にサーモセンサースイッチユニットをショートカットさせてハンドルスイッチで操作可能になります。
サーモセンサースイッチユニットを単純にスイッチだと考えると配線がわかりやすいと思います。
ショートカットが必要ないと考える場合は1と2の配線を接続する必要はありません。
サーモセンサースイッチのおすすめはブログ内にあるものです。
ただ防水性はありません。
価格が安いので私は使い捨てと考えています。
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ショートカット用の物理スイッチはノーマルハンドルの場合、ブログ内にあるスイッチだとスペースが無いと思うのでトップブリッジ上などに
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がおすすめです。
ag1000rさん
早速の返信ありがとうございます。ご丁寧な説明でよくわかりました。
サーモセンサースイッチは時間がかかるようなので同じものを早めにポチっとしてしまいました(笑)。物理スイッチのお勧めも了解しました。
もう1点教えて下さい。1の配線に2を繋げる間に物理スイッチを入れるのは理解したのですが、配線図の左側にもスイッチがあるように見受けられます(ファンとリレーとの間)。なのでスイッチは合計2個付けることになるのでしょうか?左側スイッチは常時ONにしておく、また通常はoffてすが任意で回したい時に1と2の間のスイッチをONにするという理解であっていますでしょうか。
素人なのですみません…。
図がわかりにくくて申し訳ありません。
図の左側にあるのが物理スイッチで、右側センサースイッチユニット上に描いているのはユニット内でon/offされるスイッチです。
なので物理スイッチは1個で大丈夫です。
ありがとうございました。チャレンジしてみます!また他のことでお邪魔するかもしれません、その時も宜しくお願い致します。
私も電動ファンを付けたいのですが、他社純正ファンは、何を買ったら良いのでしょうか?
モグたんさんコメントありがとうございます。
申し訳ないのですが、私が使用したのはヤフオクでキットとして販売されていたものなので元々が何用のファンかはわかりません。